大阪にはかつて、「フェスティバルゲート」と呼ばれる遊園地がありました。そんなフェスティバルゲートの跡地や解体、現在はどのような姿なのかについて掘り下げていきましょう。また、廃墟となったフェスティバルゲートでは過去に事故や心霊現象が起きるという噂もありました。
大阪のかつての都市型遊園地「フェスティバルゲート」
大阪には、かつてフェスティバルゲートと呼ばれる都市型遊園地がありました。一時は賑わっていたフェスティバルゲートですが、2007年7月31日には閉園に追い込まれています。なぜ、フェスティバルゲートは閉園してしまったのでしょうか。
また、フェスティバルゲートでは事故が起きことがきっかけで、心霊現象が起きるという噂もあります。今回は、そんなフェスティバルゲートの現在の姿や、心霊現象や事故の有無について掘り下げていきましょう。
バブル期に巨額を投じて作られた複合施設
フェスティバルゲートは1997年7月18日に開業した複合施設で、当時はバブル期真っただ中だったため、巨額を投じて作られました。海底に沈んだ古代都市をイメージして作られており、アミューズメントだけでなく飲食や物販店舗などがあったようです。
また、フェスティバルゲートは8階建てで、どのフロアにも来客を楽しませるゲームやアトラクションが設置されていました。
「フェスティバルゲート」はどんな遊園地だった?
初めにもご紹介したように、フェスティバルゲートは2007年には閉園へと追い込まれてしまいました。なので、当時遊園地として人気だったフェスティバルゲートの姿を知らない人も多いでしょう。
そのため、ここからは当時フェスティバルゲートはどのような運営を行っていたのか、入場料はどのくらいだったのかについて掘り下げていきます。
運営会社について
フェスティバルゲートを運営していたのは、第三セクターのフェスティバルゲート株式会社と呼ばれる会社でした。現在フェスティバルゲート株式会社は解散してしまっていますが、当時はフェスゲと略して呼ばれることもあったようです。
また、運営会社はフェスティバルゲートから撤退しているため、現在フェスティバルゲートの土地を所有しているのはマルハンと呼ばれる会社です。
初年度は800万人を超す来場者
バブル期に運営を開始したフェスティバルゲートは、初年度に800万人を超す来場者数を獲得しました。しかし、2001年頃から徐々に入場者数が減っていき、開業してから4年で来場者数は300万人ほどになってしまったようです。
その後もフェスティバルゲートの人気は停滞した他、2004年2月には事業に参加していた信託銀行三行が撤退してしまったことで閉園にまで追い込まれてしまいました。
当時入場料は無料だった?
フェスティバルゲートの開業当時は、上記でも述べたように800万人を超える来場者が訪れたと言います。その理由の1つとして挙げられるのが、フェスティバルゲートの入場料が無料だったということです。
アミューズメントを利用する際には券を購入する必要があるのですが、入場するだけなら無料でした。また、フェスティバルゲートの飲食店は23時まで営業していたようです。
「フェスティバルゲート」が閉園した理由とその後
遊園地として稼働していたフェスティバルゲートは、閉園してしまったと紹介しました。けれど、なぜフェスティバルゲートは閉園してしまったのでしょうか。また、閉園した後はどのようになってしまったのでしょうか。
ここからは、フェスティバルゲートが閉園してしまった理由と、その後どうなってしまったのかについて掘り下げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
理由①USJの開業
2007年に閉園してしまったフェスティバルゲートですが、2001年に大阪で大きなアミューズメント施設であるUSJができたことから、お客さんがUSJに流れていってしまいました。
また、フェスティバルゲートの構造上新しくアトラクションを作ることができず、USJに対抗することもできなかったと言います。フェスティバルゲートよりも、ハリウッド映画をテーマにしているUSJの方が人気だったことも理由の1つです。
理由②アトラクションの老朽化
新しくアトラクションを作ることができなかったフェスティバルゲートですが、初めに作っていたアトラクションを修繕することもできなかったと言います。しかし、フェスティバルゲートのアトラクションは次第に老朽化してしまいました。
修繕できなければ危険が伴い、最悪の場合事故に発展してしまうこともあります。そのため、フェスティバルゲートは閉園させざるを得なかったのではないでしょうか。
理由③大阪の中心から離れていた
開園当時は800万人の来場者数を誇っていたフェスティバルゲートですが、大阪の中心部から離れた場所にありました。そのため、フェスティバルゲートにリピートして訪れる人が少なかったのではないかという意見があります。
フェスティバルゲートのような遊園地を維持させるためには旅行客だけでなく、近隣地域に住んでいるリピーターが必要です。しかし、それができなかったフェスティバルゲートは経営に負担が生じていたことでしょう。
理由④入場料無料が経営を圧迫
フェスティバルゲートの最大の魅力として挙げられるのが、入場料が無料だということです。入場料が無料だと、どれだけ来客数が増えても意味がなく、アトラクションや物販店舗などを利用してもらうほかありません。
しかし、フェスティバルゲートは開園から閉園まで入場料を無料にしていたため、それが経営を圧迫してしまいました。
理由⑤エキスポランド事故の影響
フェスティバルゲートが閉園してしまった理由として、エキスポランドの事故の影響が挙げられます。エキスポランドは2009年に閉園した遊園地なのですが、このエキスポランドでは世間が震撼するような大きな事故が発生しました。
そのため、「遊園地は危ない」という認識になってしまい、フェスティバルゲートを含めた遊園地は人気が減ってしまったようです。そのことがきっかけで、経営が徐々に傾いていったと言えるでしょう。
跡地利用が決まらず廃墟に
閉園してしまったフェスティバルゲートですが、跡地を再利用するという計画が立てられました。しかし、跡地をどのように利用するのか決まらず、最終的には廃墟になってしまったようです。
廃墟になったフェスティバルゲートは「事故が起きたから心霊現象が発生する」といった噂が囁かれるようになりました。廃墟での噂や心霊現象の有無については、のちに詳しく掘り下げていきましょう。
隣接のスパワールドは今も営業中
フェスティバルゲートに隣接していた施設として、今でも残っているのがスパワールドです。スパワールドには温泉や岩盤浴だけでなく、お食事処やプールを利用できることもあり、例年多数の来場者数を獲得しています。
また、スパワールドは24時間利用できるというメリットがありますので、気になるという方はぜひ一度フェスティバルゲートに隣接していたスパワールドに訪れてみてはどうでしょうか。
スパワールドの基本情報
住所 | 大阪市浪速区恵美須東3-4-24 |
アクセス | 御堂筋・堺筋線 動物園前駅5番出口よりすぐ |
営業時間 | AM10:00~翌AM8:45 |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
「フェスティバルゲート」の心霊現象や事故は?
フェスティバルゲートは廃墟になった後、心霊現象が起こると噂されるようになりました。また、心霊現象が起こるのは、フェスティバルゲートで過去に事故が起こったからとも言われています。
ここからは、フェスティバルゲートで噂される心霊現象や事故の真偽について詳しく掘り下げていきますので、気になるという方はぜひ参考にしてみてください。
事故は起こっていない
過去にフェスティバルゲートで起きたと言われている事故に関してですが、実際は何も事故は起こっていません。「事故はフェスティバルゲートが閉園するきっかけだったのではないか」とも言われていますが、そうではありません。
閉園したのは入場料を無料にしたことで経営が圧迫されたこと、アトラクションが老朽化してしまったことが理由です。
事故が起こったのはあくまでエキスポランド
フェスティバルゲートで事故が起きたと言われている理由の1つとして、エキスポランドで事故が起きていたことが挙げられます。エキスポランドにはジェットコースターがあったのですが、そのジェットコースターが突然レールから脱輪してしまいました。
その際、ジェットコースターに乗車していた1人が柵に頭を挟まれて死亡し、負傷者が21人も出てしまうという事故が起きています。
心霊現象も特にない
事故が起きたと噂されているため、心霊現象が発生したことがあると言われているフェスティバルゲートですが、実際は心霊現象は特に何もありません。そのため、噂が噂を呼び、心霊現象が起きると言われるようになったことが分かります。
そのため、フェスティバルゲートの跡地や廃墟に訪れても、心霊現象は期待できなかったようです。ただ、廃墟やフェスティバルゲートの跡地ということから、肝試しにはピッタリの場所だったのではないでしょうか。
2012年に廃墟は解体された
遊園地として営業をしていたフェスティバルゲートですが、2012年には廃墟が解体されることとなりました。遊園地の中には、廃墟になってから長い間解体されずに廃墟のまま残ってしまうこともあります。
しかし、フェスティバルゲートの場合は廃墟が街中にあったため、廃墟を解体すれば場所を再利用できることから、すぐに買い取り手が見つかって解体されました。
「フェスティバルゲート」の跡地利用
現在は解体されてしまった遊園地のフェスティバルゲートですが、現在はどのような跡地案が提出されているのでしょうか。ここからは、現在フェスティバルゲートの跡地で計画されている跡地利用案について、詳しく掘り下げていきます。
多額のお金を投資した遊園地が解体されたこともあり、フェスティバルゲートの跡地はかなり大きいです。そのため、現時点で遊園地の跡地を利用した提案がいくつか出されているようです。
跡地利用案①大阪市交通記念館
フェスティバルゲートの跡地は、大阪市交通記念館として生まれ変わろうとしていました。理由としては、かつて交通科学博物館という施設があったことが挙げられます。
しかし、大阪市交通記念館を開設するためには6億円、その後も年間4億円の継続費がかかってしまうことから、大阪市交通記念館の建設は断念せざるを得ませんでした。
跡地利用案②ツーテンゲート
解体された後、ツインゲートという施設を建設しようという提案が出されました。ツインゲートはスポーツアミューズメントパークで、既に名前も決まっていたことからツインゲートが建設される可能性が高かったようです。
しかし、ツインゲートに関しても跡地利用案が使用されることはありませんでした。ツインゲートが解体された跡地に建てられた場合、2階建てになっていたそうです。
跡地利用案③韓流テーマパーク
フェスティバルゲートの廃墟が解体された後、韓流テーマパークができるという噂もありました。その理由として挙げられるのが、解体された当時韓流ドラマやグッズ、アイドルが流行していたことです。
しかし、韓流テーマパークは時代遅れになってしまう可能性があるという理由で、最終的に解体された跡地を韓流テーマパークに利用することはありませんでした。
跡地利用案④パチンコ屋
フェスティバルゲートの跡地を利用する際、パチンコ屋が建設されるのではないかという仮説が立てられました。その理由としては、フェスティバルゲートの跡地を買い取ったのがパチンコ店を経営しているマルハンだったということです。
しかし、契約の関係上、フェスティバルゲートの跡地には5年間はパチンコ屋を建設できなかったと言います。
結局現在の状況は?
様々な跡地利用案が出ているフェスティバルゲートですが、結局のところ現在はパチンコ店ができています。かなり有名なパチンコ店「マルハン」と商業施設「ドンキホーテ」の複合施設ということと、周囲には人が多く集まる飲食店やスパワールドもあることから、賑わっているようです。
そのため、フェスティバルゲートの現在の姿を見たいという方は、ぜひ一度パチンコ店に足を運んでみてはどうでしょうか。
「フェスティバルゲート」の場所について
現在は解体されてしまい、跡地開発も進められているフェスティバルゲートですが、ここからはかつてフェスティバルゲートがあった場所について詳しく掘り下げていきましょう。
フェスティバルゲートがあった場所には、既にパチンコ店が建てられています。しかし、フェスティバルゲートの周囲の雰囲気を感じることができますので、気になる方はぜひ足をはこんでみてはどうでしょうか
場所の詳細を解説
フェスティバルゲートはかつて、大阪市浪速区恵比寿東3丁目4番36号にありました。現在もパチンコ店が営業している場所なので、地図アプリに住所を入力すれば正しい位置を特定することができます。
また、かつてフェスティバルゲートがあった場所に訪れる際は、地下鉄動物園前を利用するとすぐに到着するでしょう。周囲にはいろいろなお店が立ち並んでいますので、ぜひ一度足を運んでみてください。
「フェスティバルゲート」の基本情報
住所 | 大阪市浪速区恵比寿東3丁目4番36号 |
アクセス | 地下鉄動物園前から徒歩約5分 |
「フェスティバルゲート」は現在は跡地開発されている
つい最近まで遊園地として人気を博していたフェスティバルゲートですが、現在は跡地開発が既に行われています。そのため、かつて賑わっていたフェスティバルゲートの片鱗を見ることはできません。
しかし、フェスティバルゲートの跡地の近隣ではスパワールドが現在も運営中ですので、大阪を楽しみたいと考えている人は、ぜひスパワールドに足を運んでみてはどうでしょうか。

